大地の色 ぜんぶ      シーラ・ハマナカ

 

子どもたちは 大地の色 ぜんぶ ――

クマのウォーッとうなる茶色 天かけるワシ

夏の終わり 草むらに聞こえる ささやく金色

落ち葉の かさかさ赤褐色

ドドーンと波寄せる浜辺 小さな貝殻の 

チリンチリン鳴るピンク

 

子どもたちの髪の毛は ぴょんぴょん子羊

水の流れ

お昼寝中のまんまるネコと 色もおんなじ 

くるりんカール

 

子どもたちは 愛の色 ぜんぶ

どこまでいっても いつもいっしょ

なぜって 愛の色は シナモン くるみ 小麦

愛の色は 琥珀 象牙 ショウガ それに あまい

まるで キャラメル ハチミツ チョコレート

 

ヒョウのポツポツ模様みたいに色の濃い子も 

砂みたいに明るい色の子も

子どもたちは はずんで笑い 笑い声は 大地に口づけ

いっしょのお日さま ちょうちょうみたいに 自由でしあわせ 

子どもたちは 大地と空と海の色 ぜんぶ

 

All the Colors of the Earth (William Morrow and Company: New York, 1994)

Sheila Hamanaka (日系3世のアメリカ人)

 

 

  真珠       ハリール・ジブラーン

 

  一匹の貝が、となりにいる貝に言いました。

「私はひどい痛みを抱えています。重くて丸くて本当につらいのです」

  すると聞いていた貝が、いかにも自慢気に言いました。

「天と海を讃えんかな、私には痛みがありません。内も外も素晴らしく健やかです」

  ちょうどその時近くを通りかかったカニが、二匹の貝の会話を聞いていました。カニは、内も外も素晴らしく健やかだと言った貝に向かって言いました。

「なるほどあなたは素晴らしく健やかでしょう。だけど、おとなりの貝が抱えている

 痛みは、かけがえもなく美しい真珠なのですよ」

 

  The Pearl
  Kahlil  Gibran .1883-1931(レバノン生まれ・アメリカ)

 

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