98字日記ー2021年7月

文章を書く鍛錬として書きはじめました。

「98字」は自分への課題のひとつです。

バイオリニストが演奏前に調弦するA(アー)の音のように、

正確に、短く、つづく音楽が気持ちよく響くことを願って

7月31日(土)
わお、今日の東京の新型コロナ感染者数は4058人! また緊急事態宣言下、オリンピック競技は黙ってTV画面で。夏休み寸前の自由が丘・パテ屋さんにパテやペーストやフーマスの宅配をお願いし、私は家にいられる。

7月30日(金)
「古過ぎ」と書いたが歌舞伎に変な新しさは欲しくない。ただ『あしながおじさん』『アニー』など昔は大好きだった話が、どれも女の子が白人のお金持ちの男の人に幸せをもらうのが楽しめなくなったのと同じ。

7月29日(木)
昨日の帰りに東劇でシネマ歌舞伎『籠釣瓶花街酔醒』を観る。もう観られない勘三郎と美と芸の極みの玉三郎出演でなければ好きではない話。花魁の衣装と仁左衛門の見た目が綺麗だった。歌舞伎もオペラも筋が古過ぎ。

7月28日(水)
MOMA のデザインストアから毎日必ず日本時間の未明に届くメールが楽しい。今朝のにはJapanese Maekake Workshop Cotton Apron という名前で職人さんがする藍染めの長い前掛けがかっこよく紹介されていた。

7月27日(火)
本棚にふとブラッドベリ短編集の邦訳を文庫で持っているのに気がついた。訳者の解説は『白鯨』の脚本についても触れている。なんだ、読んでいても心に留まらなかっただけだった。多分20年近く前のことだし。

7月26日(月)
最後の『天の梯』で『みをつくし料理帖』10巻を終える。読書歴になかった類の時代小説。星の和名も新鮮・・錨星(カシオペア座)、心星(北極星)、鼓星(オリオン座)など。空をみると激しい夕焼けだった。

7月25日(日)
有明テニスの森、水泳のアクアティクスセンター、スケボー会場の有明アーバンパークと我が家から車で10分の距離で無観客のオリンピック競技が始まった。屋外競技は脱水状態になるという。全て分かっていたこと。

7月24日(土)
『83歳のやさしいスパイ』をみる。ドキュメンタリーとは信じられないほど物語性が強く、といって演技にしてはリアル。マイテ・アルベルディ監督はチリ出身なので舞台はチリ?よく分からない。「人生は孤独」。

7月23日(金祝)
午後8時から無観客で東京オリンピックの開会式。我が仕事場は選手村と国立競技場を結ぶ道の中間にあり、今日は行かない。東京の今日の新型コロナ感染者は1359人! 私にとって一番大切なのはMの誕生日であること。

7月22日(木)
『白鯨』(1956年)の脚本がレイ・ブラッドべリだったとは今回の課題を選ぶまで知らなかった。ジョン・ヒューストン監督の映画といえば中学生の時に観た『赤い風車』。A・ヘップバーンの出る『許されざる者』・・

7月21日(水)
ショパン国際ピアノコンクールが始まっている。YouTube で聴けるとMが教えてくれたけれど、まだ予備予選の段階。大変なことだ。日本からの出場も多く反田恭平も角野隼斗(かてぃん)もそこからスタート。

7月20日(火)
メトロで四つの優先席全部に若い人たちが座っている。私が乗って二つ目の駅で一人が元気に降りていった。私が座って前の二人を見ると頭の上に「優先席」とあってまさにシャッターチャンス。撮らないけれど。

7月19日(月)
子どもは正直。街中のTVインタビューで、この暑さでマスクは辛くないかと問われ、辛いという大人達の後で、8歳の男の子が「ううん、いつもしているからね、取ってよくなっても、ぼく、間違えてしちゃいそう」。

7月18日(日)
『みをつくし』を読んでいて江戸と東京の違いをいろいろ思う。一番違うのは空気の匂いかもしれない。今のマンション群近辺はもちろん住宅街でも生活の匂いが薄い。夕方に庭や垣根の外れで焚火をする光景もない。

7月17日(土)
TVなどで一言ごとに語尾をあげるか、伸ばして話す人がいる。耳障りで消したくなる。最近どんどん増えて、コメンテーターと称する人までそういう話し方をする。そのうちにぃ、みんながぁ、そうなるのかしら。

7月16日(金)
34度の猛暑のなか郵便局、歯医者、コンビニと回り、いくつかの支払いを済ませる。東京都の新型コロナ感染者数は日に1千人を超え始めて今日で3日目。日常と異常が隣り合っていて、しかも1週間後に五輪開会とは!

7月15日(木)
クリスチャン・ボルタンスキー、死去。76歳。新国立美術館で偶然に触れて一日中そこにいたいと思ったのは2年前。アネット・メサジェがパートナーだと私は知っていた?自分に聞くのも変だけれど、あまりに素敵。

7月14日(水)
MLB のオールスター戦はデンバーで。いわゆるレッドカーペットでの大谷翔平選手がかっこよかった。裾が長めの白いTシャツに濃いグレイの上下、白いスニーカーで、家族連れが多い他の選手達の中、一人で歩いた。

7月13日(火)
大谷翔平はMLのHRダービーで1回戦敗退。でもいい。明日の本番で先発投手・1番打者というお祭りがある。二刀流つまり宮本武蔵の二天一流も、英語では a two-way player と言われている。私も刀は嫌いだけれど。

7月12日(月)
美容院まで15分歩き、汗ばむ。去年のある時から白髪になるようにしてきた。真っ白にはならず薄茶がかっていて前髪にヤスコさんのセンスで緑と青が差し入れられる。ローソンでからあげくんレッドを買って帰る。

7月11日(日)
この数ヶ月、これまでにない数の小説を読み、文字で大勢の人物に会っている。今は乙川優三郎『脊梁山脈』を読みつつ高田郁『みをつくし料理帖』6冊目で気持ちのバランスをとりブラッドベリーの短編を英語で読む。

7月10日(土)
雨が上がると、夏日。夕方6時半はまだ明るくて勝どきから木場へバスで向かうと、いかにも夏の夕方という澄んだ灰青色の空のした、幾つもの川を横切る。空を降ろしたような川を高層ビル群が半円形に囲む。好き。

7月9日(金)
雨。Mが買ってくれた新しい折り畳み傘は超軽量で、開くと大きく、バス停で植え込みに向けて振ると水滴が飛んでしまう。水色に白の水玉模様。それをかっこいい新しい傘袋に入れる。この間までレジ袋だった。

7月8日(木)
今もオリンピックをやめればいいと思っている。競技寸前にコロナ優性の選手が出て試合が出来なくなることもあるはず。その時の金メダルに何の意味がある?この12日から8月22日まで東京に緊急事態宣言が出された。

7月7日(水)
織姫と彦星は夫婦だったのに、恋人だったと思っている人が多いらしい。でも今日は、沖縄と札幌以外、日本全国ほとんど曇りか雨。それどころか静岡県伊豆山では土石流の大規模被害。二人は天上で会えたのかしら。

7月6日(火)
週刊文春に「なんとかしなくちゃ」と題する連載コラムを見て、これでググったらどうなるのか、やってみた。あの懐かしい本の表紙が出てくるのを初めてみた。いいレビューがついている。1979年に訳していたなんて。

7月5日(月)
接種後の大事をとって、この3日間は家にいる。昨日の都議会議員選挙の結果、江戸川区は定員5人のうち女性が4人選ばれた。インド出身の区議ヨギさんが立憲からたって落ちた。もったいない判断違いをしたようだ。

7月4日(日)
乙川優三郎『冬の標』を読み終える。幕末の封建社会にあって南画に魅せられた明世(あきよ)が女子、妻、母、嫁として生きながら画家として自立する決心をする。<描きたい>という気持ちと「素」が全てだった。

7月3日(土)
横浜の土曜クラスの後、大手町でワクチン接種の2回目。会場が広いので歩く距離が長く、Mが付き添ってくれて助かった。いつ抗体ができるのか知らないけれど、これで遊びに行くのを増やせそう。どこに行こうか。

7月2日(金)
昨日かどうか日付が分からないが、エンジェルス対ヤンキースの試合で1番・投手で出た大谷翔平がボロボロになって降板したのに、9回で味方の大逆転ホームランを含めて11対8となり負け投手にならなかったチーム力!!

7月1日(木)
クイズ番組で素敵だった問題。「父さんがいて、母さんがいて、兄も妹もいて、わたしはふたご。寂しいけれど五人家族の中でわたしだけ違うの。え? どういうこと?」解答をお寄せください。