98字日記ー2019年4月

4月30日(火)
平成終幕の日に平成最初を思う。昭和天皇の死去につづく日々は実際に銀座の照明も落ちて薄暗さの中にあった。今日の晴れやかで、新年を迎えるような雰囲気はいい。でも令和時代を原発の明かりに頼りたくない・・・

4月29日(月)
先週末から初めての10連休に入り、1日には元号が平成から令和になるとあって、メディア上の世の中は何かざわざわと落ち着かない。でも私は変わりなく明日から3日間クラスがあるので、今日はその準備に追われている。

4月28日(日)
ルート・ブリュックの展覧会は楽しかった!フィンランドを代表する作家の主としてセラミック作品約200点は、若い時から晩年に至る変遷も実物だからこそ心に響いて伝わってきた。東京SGの開館10時にMと入って。

4月27日(土)
ジョン・ラスキンは絵を描くのが本当に好きだったのだと思う。「ラファエル前派の軌跡」展(三菱一号館)。とくに習作にピュアな思いを感じた。そして改めて調査著書『ヴェネツィアの石造建築』の凄さを実感した。

4月26日(金)
馬喰町ART+EAT が閉じられるのが残念。廃校となった小学校の床板を張った部屋もエスニックな食事も数々のイベントもおしまい。今日はラストライブ「終わる瞬間」に。武さん、きっとまたどこかで始めて下さい。

4月25日(木)
新宿住友ビルの改築は終わらず、地下鉄から直行という利便さがなくて都庁の端を歩いて行く。旅券課のそばを通ると時期によって大混雑だったりガラガラに空いていたりする。それにしても都庁の建物は大き過ぎ。

4月24日(水)
都営交通機関が駅や停留所の標示に英語、中国語、韓国語も入れてきていて、大江戸線では今日はじめて標示が四つ揃ったのを見た。アナウンスは「駆け込み乗車はおやめください」というのだけ四カ国語だった。

4月23日(火)
昨日、六本木に行く途中で愛用のサングラスを失くした。めげずに国立新美術館に寄りトプカプ宮殿の至宝展をみる。16世紀のカフタンが美しかった。庭の白い躑躅が見事に満開でウッドデッキでアイスティを飲む。

4月22日(月)
昨日の区長・区議選は江戸川区の場合、翌日開票。数人の直接知っていて当選してほしい区議候補者から一人にしぼるのに悩む。気になった「よぎ」さん(立憲)は区に20年住むインドの人。何と5位で当選した。

4月21日(日)
ニューヨーク近美デザイン・ストアから毎日メールがきて、花瓶とか椅子とか器の写真数点が届く。今日はジャン・ミシェル・バスキアの作品。フレーム入りで160ドルだから印刷物。でも見るだけでも楽しい。

4月20日(土)
朝9時半頃に乗る錦糸町行きバスは曜日によって乗客の雰囲気が変わる。週日は買い物とか病院とか用事を抱えるらしい女性が多く、土曜日は馬券買いか競艇場行きかという男性、日曜日は家族連れとインドの人達。

4月19日(金)
映画『Maudie』を家でみる。ひどい邦題が「しあわせの絵の具  愛を描く人 モード・ルイス」。カナダのフォークアーティストと呼ばれる人の生涯を真摯に綴った、ある意味で胸が痛むストーリー。でも深く心に残る。

4月18日(木)
区長と区議会議員の選挙公報に載った名前の表記がひらがなばかりで腹立たしい。本名がかなの人はともかく、漢字なのにかなにするのは本人の個性を失わせ、難しくて書けないでしょうと有権者をバカにするもの。

4月17日(水)
Mが中学生の時、組が違う親友達とおしゃべりする時間がないと言った。「だって今、学級委員だから、一日中誰とも口をきかない子があたしの組にいないようにしているから」。いじめが問題になると思い出す。

4月16日(火)
昨夜3時半頃、ふとつけたTV画面に見たのは暗い夜空を背景に真っ赤な炎をあげている尖塔だった。ノートルダム大聖堂だという。あの美しい塔が! 実際に訪れたのは20数年前だろうか、あのステンドグラスも・・・?

4月15日(月)
第一次世界大戦をめぐる人々。フランソワ・オゾン監督の『婚約者の友人』を家でみる。原題は『フランツ』。ショパンのノクターン、ヴェルレーヌの詩、マネの絵「自殺」(この絵は知らなかった)が印象的だった。

4月14日(日)
きずなの会の新年度総会で受付をかって出る。物を運んだり机を並べたりはできないため。でも基本的に会合には年々、出たくなくなっている。多勢でかわす話題に入っていけないというか、あまり入りたくない。

4月13日(土)
紙類の整理魔となっている。そうならざるをえない状態だから。今日は切手を額別に分けられるよう小型のクリアファイルを買ってきて、夜、駅ピアノでは初めてのロンドンヴァージョンを楽しみながら移し替えた。

4月12日(金)
こどもの国への両陛下訪問で園の様子を知る。入社直後の席が建設事務局の隣で、よく長靴を履いて現場に行き、ジープで山を登った。65年5月5日の開園では御二人を迎える列の末席にいた。あれから行っていない。

4月11日(木)
最近「Eテレ2355」を忘れていた。さっき久しぶりに、というか偶然その時間にチャンネルを替えていて再会した。かなり様変わりしていた。最後が『モダン・タイムス』のあの音楽だなんて胸が締めつけられる。

4月10日(水)
関東北部は大雪。東京は雪こそ降らなかったけれど終日、冷たい雨が止まず気温は6度!ダウンコートで出掛け、少し大袈裟?と思ったけれど帰りの京急の横浜駅ホームは吹き曝しなので、頬まで覆う襟が嬉しかった。

4月9日(火)
昨日、野田版『桜の森の満開の下』を東劇シネマで。一昨年の歌舞伎座公演で中村勘九郎と当時の市川染五郎、中村七之助・・・坂口安吾の世界がさらに広がり洒脱な言葉が舞う。桜吹雪はたっぷりと舞台を埋めた。

4月8日(月)
2ヵ月ごとの美容院では20年以上同じ店長さんに任せきり。行くたびに快適さの工夫が増えている2時間だけれど、身体のどこかが不自由な友人達数人はどうしているのだろう。シャンプーの姿勢が辛いかも知れない。

4月7日(日)
チンとスマホが鳴り、ミラノは雨降りとのMのメッセージが画面に。普段の携帯の番号が日伊でそのまま使えるようになり感激したのは10年位前?社会に出るまで電話そのものと無縁だった私には大変革の連続なり。

4月6日(土)
アニックの本屋の壁画と今度の課題であるケネス・グレアムの童話とを結ぶものを土曜クラスの宮野さんが見つけてくれた。凄い。素晴らしい。意識をかすめるものがあったのに私はそれを追わず、見逃していた。

4月5日(金)
ふと澁澤龍彦の『フローラ逍遥』を思い出してページを繰った。25種の花の呼び名のうちカタカナのままは5種で、チューリップはその一つだった。漢字の読みを忘れていたのは金雀枝(エニシダ)と苧環(オダマキ)。

4月4日(木)
話し言葉で語尾を伸ばされるのがいや。最近はニュース番組のコメンテーターまでが語尾を伸ばすので、耳にすると、切る。そんな話し方で話されることなど聞きたくもない。と言い切るのは時代の波に逆らいすぎ?

4月3日(水)
横浜クラスの後、ロビーで、新元号が令和となった話題から漢字の話になり、その流れでチューリップは鬱金香と教えられた。後で調べて、それが和名だと分かり、白秋の詩にあったような気がして・・ビンゴ!

4月2日(火)
三分咲きの桜に激しく雪が降りかかるのはテレビでみる富山県の様子。東京も寒かった。築地周辺で用事をすませ東劇で『桜の森の満開の下』の割引鑑賞券を買ってバスを待つ間、明日は冬のコートにしようと思う。

4月1日(月)
「あなたは自分自身に、自分の文化に忠実だった。他の選手はぼくたちの倍も身体が大きかったけれど、このスポーツには不可能はないと、あなたは教えてくれた」。3月28日付の米シアトル・タイムズ紙に THANK YOU, ICHIRO という見出しでマリナーズのディー・ゴードン内野手が出した全面広告から抜粋。